レバーアクション。

右からマーリンM336 ウィンチェスターM94 ブローニングBLR
ライフル作動方式で、用心金と一体化されたナックルガードで装填操作をするレバーアクションというのがあります。日本ではあまり見かけないタイプですが、アメリカでは根強い人気があり、狩猟雑誌のライフル特集では、オートマチックアクション、ボルトアクションと並んでレバーアクションのコーナーが設けられていることが多いです。
なじみがないアクションとはいえ、使ってみると、とくに山ではなかなか便利なレバーアクション、ご紹介します。
まずはレバーアクションの作動方式。

こんな具合に、ナックルガードを押し下げると、遊底が開き、排莢、装填をすることができます。
慣れるとけっこう早く操作できます。
レバーアクションの便利なところといえば、デコックセイフティが使えるところ。これ、猟場ではかなり重宝します。

上の写真、機関部後部の「ハンマー」が起きています。つまり、激発するためのバネが圧縮され、発砲可能な状態。(もちろん、分解状態では撃てませんけどね)。
この状態から、ハンマーを指で押さえて引き金を引くことで、ゆっくりとバネを解放することができます。

これがハーフコック。激発するバネが伸びているので、引き金を引いても、ハンマーは動きません。発砲したいときは、親指でハンマーを起こしてから発砲します。
ハーフコックでも、一応、不意の暴発は予防できる仕組みになっていますが、ハンマーを無理やり叩けば、激芯が雷管に触れてしまう可能性もまったくないとは言えません(可能性は低いとは思いますが)。
そこで、BLRはさらにもう一段階の安全対策が施されています。

これが「フォールディングハンマー」。前にハンマーを折りたたんで、激芯を保護しています。
もちろん、発砲の必要がないときには、薬室から実包を抜くのが基本なのですが、例えば足元が新雪で、脱包した薬莢を落としてしまうと回収できないようなときなど、一時的にセイフティを利用して安全な状態を確保したい場合も起こりえます。確実性が高く、しかも即座に発砲可能な状態に復帰できる機構は、猟場ではたいへん便利なものです。
ちなみに、M94はグリップセイフティ、手で用心金を握りこんでいないと、激発しない機構がついています。19世紀の設計とは思えない完成度です。

レバーアクション、機関部開放のときに、引き金周りの機械も露出します。異物混入には気をつけたほうが良いと思いますが、シシ撃ちの勢子でM94を使っている方もいらっしゃいますし、普通に使っている分には問題はないようです。M94はもともと軍用銃ですからそんなヤワではないのでしょう。
こんな感じで、古めかしいようでなかなか便利なレバーアクション。マーリンとM94は、30-30ライフル弾仕様と、.410番散弾仕様が入手可能です。
ブローニングBLRは、新銃で、かなり多彩な仕様が選択できます。口径は.270、30-06その他スタンダード口径、マグナム口径。ストックの素材と形状、機関部の仕上げも選択可能。弾倉は着脱式で、専用スコープマウントもあり、銃身真上にスコープを搭載できます。(M94は機関部の真上が開いて排莢するので、スコープは左側にずらさないと搭載できないのが欠点なのですが、BLRはそれを解決しているわけです。)
さらにさらに、上の写真の通り、機関部前方で2分割可能。特に工具は必要なく、出先でも簡単に分解結合できます。フルサイズのライフルは、ハードケースに入れると持ち運びに苦労するものです。猟場や射撃場まで、移動の長い人にとっては、ありがたい仕組みだと思います。
当店にも何種類か、レバーアクションライフル/ショットガンの在庫がありますので、ぜひご検討ください。続きを隠す<<