-装弾なんてどれでも一緒?-
銃をはじめて持つ方にとって、銃選び以上に難しいのが装弾の選び方です。ライフルの場合は「この銃にこの弾を使うとよく当たる」というはっきりした相性がありますが、散弾銃の場合は何個もの弾がまとまって飛び出すので、弾や銃の「クセ」はあっても「命中精度」というものはありません。
では、弾のサイズと重さが決められているトラップ射撃やスキート射撃の場合はどの銘柄の弾でも変わらないかというと、そういうわけでもないのです。
スキート射撃の場合は、クレーから遠くても25メートル以内、通常は20メートルから10メートルの至近距離で撃破しますし、向かって来るクレーを撃ったり逃げていくクレーを撃ったりと様々な状況があるため、装弾の違いは判りにくいといえます。(ただし、熟練者になると射台や射撃順で弾を使い分ける場合もあります)。
一方、トラップ射撃の場合は射台の15メートル先から遠ざかっていくクレーを狙うので、常に似た状況(30メートルから40メートル)で撃破することになります。常に似たような距離で射撃をするので、弾速やパターン(散弾の散開形状)が成績に反映されやすく、自分の腕や銃の性質と装弾の相性がハッキリ出てしまいます。 トラップ射撃において「どの装弾を使っても変わらない」という人は装弾の性質の違いが分からないレベルの射撃しかしていないのです。
-2000発撃ったら弾に凝ろう-
とはいえ、銃を持つのも初めての本当のビギナーの状態ではどの弾を使っても
「ドン! と鳴って、当たったら皿が割れる」
ということくらいしか分からないのが当たり前で、最初は最寄の射撃場や銃砲店で勧められた弾を撃って、射撃そのものに慣れる事が大切です。
装弾の違いが分かるようになるのは、おおむね2000発消費したくらいからです。トラップ射撃は1ラウンド25発から50発消費します。熱心な人なら、一日3から6ラウンド、平均200発消費したとして、10回も射撃場に通ったら装弾の違いが気になるようになるはずです。
-自分に合った装弾の選び方-
まずはいつも通りの装弾で、1ラウンド射撃をします。そのときに撃ちやすかった射台を覚えておいて、2ラウンド目はその射台のみで、新しい装弾で射撃をします。拾い撃ちで(クレーの放出方向を右なら右に限定して)、5発から10発撃ってみます。撃ち終わったら、弾の感触をメモしておいて、次の装弾を試します。種類を変えながら、1日に3、4銘柄の装弾をテストします。あまり銘柄が多すぎると感触の区別がつかなくなってきます。
もちろん、このテストでよく当たる装弾が自分に向いているといえるのですが、射撃ショックがやさしくて楽だとか、クレーの割れ方がきれいで気持ちが良いとかのメンタルな感触も大事な要素です。何日かに分けてテストをしてみて、お気に入りの装弾を探してください。