【銃の許可なんて、簡単!?】
「許可を取るには」で解説した通り、銃の所持許可にはいくつかの手続きを踏まねばなりません。はっきり言ってしまえば、極端に頭の悪い人、気の短い人は銃は持てません。少しだけ頭が悪い人は大丈夫です。当店のお客さんにも、そういう人はたくさんいらっしゃいます。ガラが悪い人も問題ありませんが、本当に粗暴犯の前科があったら、まず許可されません。
銃の所持許可をとるまでには、前科の照会や家族の同意、講習や教習を通じた安全意識の育成など、民間人に銃を自宅保管させても、まず大丈夫と言えるような手続きがとられています。安心と安全のための手間だと思えば、煩雑な手続きも我慢できるというものです。
ところで、この初心者講習とか、教習射撃などの諸制度は1970年ごろから導入されました。それまではどのような制度だったかというと、猟銃は許可制ではなく登録制でした。銃砲店で気に入った銃があれば、代金を払って持って帰って、警察で銃の番号を登録するだけで良かったのです。
現在、60代後半の方は、このような時代に銃を持ち始めた方が多いのです。
最近、あるお客さんのお孫さんが、銃を持ちたいとのことで、初心者講習を受講されたのですが、ペーパーテストで不合格になってしまいました。時期によっては半分以上の受講者が不合格になる事もあるのだから、別に恥ずかしい事ではないのですが、家に帰ってからお祖父さんに「お前はそんなに頭が悪いのか?」と訝しまれてしまったそうです。
ベテランの鉄砲撃ちの方は、所持許可や初心者講習をかなり簡単に考えていらっしゃる場合がありますが、実際は難しい手続きなのです。心して取り組んでください。
【警察は意地悪?】
所持許可申請は、申請者にとって面倒なモノですが、欲しい銃を買うための手続きだと思えばあまり苦になるものでもありません。ですが、警察の担当官…生活安全課 銃刀保安係という部署の警察官なのですが、担当官さんにとっては「手間な仕事」にほかなりません。担当官さんは公務員なので、仕事が増えても給料が増えるわけでもないし、銃の許可など本当にめんどくさい仕事だろうと思います。
だから、というわけでもないんでしょうが
「銃の所持許可申請に行くと、警察官に難癖をつけられて追い返される」
などと、まことしやかな噂もあったりします。
ですが、銃砲店という仕事柄、何人かの担当官さんとお付き合いがありますが、理由もなく申請者を無下にあつかうような方は、あまりいらっしゃらないように感じます。
「警察の対応が悪かった」
とおっしゃる方の話を聞いていると、申請する方の態度もそれなりだったりするものです。
「書類をどうしても受け取ってくれない」
とおっしゃる方の書類を見てみたら、明らかな不備があったり…。
不思議なもので、担当官の対応は、申請者の態度を鏡のように映すものです。
「警察は屁理屈、難癖をつけて許可を出さない」
とおっしゃる方は、理屈が多いので評判の人だったり、
「警察官の態度が悪い」
とおっしゃる方は、やっぱりちょっと無神経なところがある人で、例えばもしかしたら担当官が忙しい時に訪問して、窓口で待たされた末にイヤミでも言っちゃったんじゃないかなぁ、と思うのです。
ちなみに私自身が許可申請に行った時の担当さんは、非常に紳士的で丁寧な対応をしてくれましたよ。