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2013/06/26

サイド・バイ・サイド・バイ・ミロク その2

Tweet ThisSend to Facebook | by s_raptor
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上の写真は、当店で在庫している水平二連銃の銃床後端です。

 普通の猟銃だと、ここにゴムやベークライトのパッドがついているものですが、一部の水平二連銃では、写真のように台木そのものにチェッカリングを施した状態で、完成されています。

 パッドというのは、主に、射手に合わせた銃床の長さ(プル・レングス)の調整、射撃のショック吸収、台木の保護、滑り止めなどの目的で、取り付けられます。
 しかし、射手に応じて一挺ごとに手作りされる高級銃は、銃床の長さはもともとオーダーメイドで完璧に調整されています。また、昔の貴族がたしなんでいた狩猟においては、射撃の瞬間まで主人は銃を持たず、銃の扱いはほとんど召使に任されていたので、手を滑らせて銃を落とし、台木を傷つけることを心配する必要は、オーナーにはありません(召使は気が気じゃないでしょうけどね)。さらに、往時の実包で主流だった黒色火薬は、反動がマイルドなので、ショック吸収のために柔らかい素材でパッドを付する必要が薄く、滑り止めに関しても、チェッカリングで十分だった、ということなのでしょう。
 また、軍用銃は古くから銃床後端を金属板(バットプレート)で保護しているので、猟銃にそのような部品を付けるのは、優雅でない、というイメージがあったのかもしれません。
 このような事情から、水平二連銃、特に、ロンドンガンと言われるような高級銃には、パッドが無い場合があるのです。

 もちろん、現在出回っている水平二連銃には、パッドつきのものも多く存在します。どちらを選ぶかは、完全に好みの問題だと思いますが、せっかくならチェッカリング仕上げのまま使うのも、いいのではないかな、と思います。

 と言うわけで、水平二連を選ぶときには
・引き金は両引きか、単引きか。
・グリップはストレートか、ピストルか。
・先台はイングリッシュかビーバーテイルか。
・銃床にはパッドを付すか、チェッカリング仕上げか。チェッカリング仕上げなら、長さ調整。
以上の選択肢に加え、銃身の長さ、口径、チョークの選択が必要です。

 外見の好みに加え、どんな猟場で、どんな獲物を狙うのか、で、膨大なバリエーションがあるわけです。

 ただし、やはりモノには定番というのがあって、英国風の鳥撃ちなら、両引き、ストレートグリップ、イングリッシュ先台、チェッカリング仕上げでしょうけど、これに負い環をネジ止めして、スリングで背負って歩く、というのは、なーんとなくサマにならない。反面、メルケルなどドイツの上下二連は、ピストルグリップにビーバーテイルが多いのですが、これは自分で背負って歩いても、そんなにおかしいということはありません。ドイツは山岳地帯での狩猟が多いせいですかね。
 ここらへんの感覚は、やはり我々プロに相談していただいた上で、ご自分の銃の使い方をよく考えられた上で、良い銃をお求めになられた方が、良いと思いますよ。
17:39 | 投票する | 投票数(11) | コメント(0) | トラックバック(0) | 狩猟銃関連