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2011/12/24

散弾実包のハンドロード

Tweet ThisSend to Facebook | by shotamakino
実はこの記事、公開しようかどうかかなり迷ったもので、なぜかと言うと実包の手作り(手詰め、ハンドロード。あるいは薬莢の再使用、詰め直しという意味で、リロード)は多少の危険を伴う作業ではあるんですね。火薬は500グラムもビンに詰まってるし、用量間違えると発砲したときに事故を起こすし…。あんまり気軽に考えていただきたくないのです。ただ、世間にはすでにハンドロードの情報も出回っていますし、気をつければ大丈夫なことなので、記事として紹介します。

 さて、知らない人にとっては実包を「作る」というと、かなり大ごとのように聞こえるでしょうが、そんなに難しいことでもないんです。

 こんな機械がありまして…



Leereloadall2
Lee Reload-All 2

 空薬きょうの再形成、雷管取り付け、定量の火薬挿入、ワッズ挿入、定量の散弾挿入、口締めまで出来る面白い道具なのです。リローダーとかリローディングマシンとか言います。

 実際に作業を図解してみましょうね。


shells

射撃場や猟場から、カラ薬莢を持って帰ってきます。射撃場ではゴミですから、こころよく譲っていただけます。使いやすいように、薬莢の種類ごとに選別、サビが出たのは廃棄など、より分け作業をします。


resize

今回はウィンチェスターAA(ダブルエー)という薬莢を使います。ロンデル(底の金属部分)が真鍮製で、作業しやすいんですよね。

 発射した後の薬莢は、火薬の燃焼ガス圧で膨張していますので、これを正規サイズに締めなおす「リサイズ」と言う作業からはじめます。鉄のワッカをはめて、リローダーの一番左のステージに置いて、ハンドルをガッチャンと下げます。

resize2

 鉄のワッカに薬莢を押し込んで、膨らんだ分を締めこむわけです。同時に、使用済みの雷管が外れます。


bottom

次は、新しい雷管の圧入。雷管は100発単位で、こんなトレイにはいっています。駄菓子みたい。


primers


指で雷管を薬莢に差し込んで…



insert

ステージ2で圧入。同時に鉄のワッカが外れます。
stage2


右が使用済み、左が新品を圧入した状態。
usedandnew

薬莢に雷管がついたら、火薬→ワッズ→散弾の順番で入れていきます。これ、リローディングマシンを使うと、自動で火薬や散弾の計量をしてくれて、何発も作るときは手間要らずなんですが、今回はもっと簡単にハカリで計量しました。


powder

これが火薬。インスタントコーヒーの、もっと粒が細かいみたいなもんですね。今回は1.9グラム入れます。

次に、火薬が燃えて発生したガスを受け止め、散弾を送り出すワッヅ。プラスチックのケースで、散弾の重さごとに奥行きが変わります。

wads

その後は散弾。35グラム計量。




shots

ちなみに、散弾の重さと所望する弾速から火薬の種類と量を決めることになるわけですが、それはこんなチャートがありまして。


chart

 ご購入の方にはオマケで日本語訳を進呈します。これを間違えて事故る人がいるんですねぇ~。

 リロードで怖い事故というのは、やはり火薬量の間違いや入れ忘れです。火薬量の間違い、と言うのは、火薬が多すぎた時ばかりでなく、少なすぎた時にも事故になりやすいのです。

 どういうことかと言うと、スラッグの弾頭やワッズを銃身に入れて、洗い矢で通してみると良くわかりますが、弾頭が銃身を通過する抵抗というのは、相当強いものです。人間の腕力では、銃身の途中で止まってしまったりするのです。

 リロードで火薬が少なすぎた時には、火薬の推進力がこの抵抗に負けて、タマが銃身の中で停滞します。このまま次の弾を撃つとどうなるか…銃身が異常高圧となり、破裂して裂けてしまうのです。先台を保持している左手も、ただじゃ済みませんね。ハンドロードは手順を間違えずにやりましょう。また、完成した実包、念のために精密ハカリで計量して、あまりに重いのや軽いのは撃たないようにするなどの工夫も有用でしょう。


 さて、十分に気をつけて火薬と散弾を入れたら、あとはフタをする作業です。

 ステージ4で星型のクセをつけて…



star

ステージ5で押し込めば、できあがりー!
finish

 こんな作業に比べれば、スーツ着て革靴を履くほうがよっぽど手間がかかりますね!

 ちなみに、競技用の散弾実包は1発40円弱。
 散弾を手作りすると、雷管14円、火薬25円から40円。鉛ダマやワッズは射撃場で拾ってきたとしても、金銭的にはとっても割に合いません。

 猟用の実包なら1発100円以上するので、たくさん撃つ人なら、ハンドロードの値打ちあるでしょう。

 でも、ハンドロードをするからには、自分で作ったタマで獲物をとらえる愉しみに眼を向けていただきたいですね。ハンドロードのほうが安上がり、と言う気持ちでタマを作ると、どうしてもミスも多くなりがちです。狩猟も射撃も所詮遊びなんだから、遊び心を忘れずに、ね。



 さてさて、ここまで簡単そうにハンドロードの手順を書いてきましたが、それも機械があっての話。また、材料の散弾、火薬、雷管、ワッズもどこかからか入手する必要があります。

 射撃場で拾ったり、個人輸入したりすれば安くつきますが、どうしても手間はかかります。

 そこで、当店ではリローダーと材料100発分をセットにした入門キットを作ってみました。

内容:
1. リー リロードオール2 リローダー
2. 火薬 デュポン、ホジドン、IMRなど。1ポンドもしくは500グラム。
3. 雷管 (フェデラル209) 100発
4. ワッズ 100個 散弾35グラム装填用。
5. 散弾 3キロ  7.5号、6号、4号、2号のうちお好みで。もしくはスラッグ弾頭100個。

 5点セットで36,800円。火薬、雷管、ワッズ、散弾は追加可能です。火薬は用途に併せて選定させていただきます。

 ちなみに、火薬500グラム、雷管300個は狩猟者登録の無許可譲り渡しで購入可能です。譲り渡し可能数を遊ばせとくのももったいない話で、この機会にリロード、いかがですか?


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