以前この日誌で紹介した山賊ダイアリーの単行本が、この22日に発売となりました。
実は私、この作品の第一話を読まずに紹介を書いていたのですが、ここにも収録された第1話には、ハンターにとって非常に重要なエピソードが描かれています。
ハンターの本質は…罠猟であろうと、銃猟であろうと…野生の生き物の命を奪うことです。それをハンター以外の人がどう受け取るか。
野蛮。
汚い。
血なまぐさい。
残酷。
生き物を殺して遊んでいる。
ハンターなら、誰でも一度は直面させられる「世間の目」。
ですが、ありとあらゆる生き物は、他の生き物の死を糧として自分の命をつないでいます。ベジタリアンしかり。植物を殺さずに栄養を得られる食べ物は、リンゴとかミカンとか、果肉を食べる果物だけです。それにしても、肥料や農地を守る農薬は、間接的にであれ他の生き物を殺すことで農業を成り立たせています。
有機・無農薬?
それこそ結構、自分でキャベツの葉を食い荒らす青虫を握りつぶしてください。その成虫、チョウチョなら可愛くて、とても殺せないでしょう?
怖いとか、物騒だとか、可哀想とか。そのような偏見を超えて、自らの糧を得る。そこにキラリと、命の輝きが見える気がします。
猟場の厳しい自然と、獲物の命と向き合って初めてわかる食の尊さ。軽そうなマンガの中に、大切なテーマが描き込まれています。