米国の散弾銃メーカーは、古くから自動車同様「ビッグ3」がありまして、これは1960年代にはポンプアクション全盛で「レミントン(M870)、ウィンチェスター(M12)、イサカ(M37)」でした。
これがイサカの一時的な欠番がありまして、1990年代には「レミントン、ウィンチェスター、モスバーグ」がビッグ3と呼ばれるようになりました。ポンプアクションについてはモスバーグはM500シリーズをもってイサカのお株を奪った形になります。
ちなみに、ウィンチェスターは2006年にポンプアクション「M1300」の製造を中止しており、散弾銃のラインナップは手薄になっています。ここで再びイサカが盛り返すか、モスバーグがさらにシェアを広げるのか、はたまたミロクが製造するBPSやベネリなど海外勢が食い込むのか非常に興味深いところです。
さて、今日はポンプアクションの影に隠れがちなモスバーグの自動銃の紹介です。
残念ながら、米国のガンメーカーは長いスパンでコストダウンを進める流れが続いており、古くはウィンチェスターのM70ライフルが1964年を境に品質が落ちたとか、最近では2000年代のレミントンはパーツのキャスト痕が残ったままで動きがシブいとか、作りの丁寧さに関しては「昔の方が良かった」ことを認めざるを得ません。
そんな中で、アメリカの大量生産メーカーとしては例外的に、丁寧な物づくりを続けているのがモスバーグです。
おそらくこれは、モスバーグがいまだに同族資本の企業だという事に関係があるのでしょう。投資家というのは企業活動を投資利益率でしか考えませんから、過剰品質を保った物づくりが認められにくいのに比べると、同族経営企業はこだわりを保った経営をしやすいものです。従業員も500名と、いわゆる中小企業の域を出ませんが、他の大手同様のアフターケア体制を整えており、米国内では製品の永久保証を行っています。
当店に在庫している自動銃のM9200も、非常に造りが良く…遊底の開閉操作をすると、パーツのかみ合わせがよく、シャキシャキした手ごたえを感じます。
例えば、1970年代のレミントンM1100などは、造りが良く表面仕上げが美しいと言っても、パーツの公差が大きく遊びがあり、操作した時にガチャガチャ感があります。それはそれでアメリカらしい大らかさというか、味があるし、汚れに強いというメリットもあるのですが、日本人が好む精緻さという意味ではモスバーグに軍配が上がります。
モスバーグM9200を使うシチュエーションとしては、何といってもカモ撃ちです。28インチバレルにフルチョークを装備しており、カモ撃ちにベストのセッティングです。特に、デコイ猟といっておとりの置物を浮かべてカモを誘引して射撃する猟法に向いています。
この動画はレミントンM887のプロモーションですが、デコイ猟のやり方は分かり易い。
デコイ猟ではトヤ(隠れ家)に潜んで射撃するため、装填動作にスペースの要る上下2連は使いづらく、ポンプアクションか自動が便利。M9200のストックはシンセティック(合成素材)で、水ぬれに強く水辺で安心して使用できます。また、艶消し仕上げはカモから目立たず、錆の心配も少ないです。
日本ではモスバーグのブランドイメージはいまいちパッとしませんが、実物を見てみれば出来の良さは分かると思います。
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