当店はトラップガンの専門店を自負しておりますが、姫路という狩猟の盛んな土地柄、猟用の自動銃も豊富に扱っております。
狩猟界は、お客様の年齢の中心は60歳台半ばから後半に移りつつあり、残念ながらそろそろ引退、銃を手放されるという方も多いのです。
その代わりといっては何ですが、若い世代、20歳代で猟を始められる方も増えつつありまして、そのようなお客様には安価で質の良い中古の猟銃をご用意しやすい状態です。
現在、特に市場放出の多い猟銃は1970年代から1990年代初頭の銃で、これらは基本的には現行の銃と同じ感覚で扱うことが出来るのですが、細かい部分では常に改良が行われています。中古銃を選ぶときのチェックポイントを紹介しますので、参考にされてください。
1. チョーク交換式か否か。
チョークとは散弾の散開範囲を決めるために、銃口部を細く絞ってある仕組みのことです。現行の銃はこの部分をネジ込み式で交換し、遠距離から近距離まで対応できるようになっているのですが、昔の銃はチョークが固定式で、1銃身1用途でした。チョーク交換式のほうが用途は広くて便利なのですが、大物猟専門だとか、キジ撃ちしかしないとか、用途が決まっている方には固定式でもデメリットはありません。むしろ、交換式のように緩む心配が無いとか、パターンが良い感じがするとのことで、固定チョークを好まれるお客様もいらっしゃいます。
2. 3インチ装弾対応か否か。
通常、散弾の薬きょうは全長2.75インチで、散弾銃の薬室もそれにあわせて作られています。
ですが、現在では特に強力なスラッグや、鉛弾禁止で比重の軽い鉄散弾を使用する場合は、やや薬きょうが長く装薬量や弾粒数にゆとりのある3インチの装弾を使います。
3インチ装弾対応銃では、2.75インチ装弾も撃てるので、3インチ対応の銃のほうが用途は広いといえますが、兵庫県など鉛弾が使える地域では3インチ装弾はほとんど見かけませんので、2.75インチの銃でも十分実用に耐えます。一方、北海道や中部地方で狩猟をされたい方は、鉛弾制限地域があるので3インチ対応のほうが安心です。年代で言うと90年代以降の自動銃は3インチ対応が多いです。
銃によっては2.75インチの機関部でも、銃身交換や薬室の改造で3インチ装弾を使用できますが、部品代や工賃はかかりますので、使う予定がある方ははじめから3インチ対応銃を選んだほうが良いでしょう。
3. 鉄製散弾対応か否か。
2. でも触れましたが、現在、狩猟で鉛弾の使用が禁止され、鉄散弾が義務付けられている地域があります。このような地域で狩猟をする場合、鉛弾を想定した銃で鉄散弾を撃っても、急に不具合が出るということは無いのですが、鉄散弾のほうが射出のショックがきついので、銃口の絞り(チョーク)部分に負担がかかりやすく、旧い銃の絞りがきついチョーク(フル、インプモデ)では変形が起こる場合があります。
モデやシリンダーの場合、チョーク部の負担が軽いので、そのまま使用できる場合もあります。また、交換チョークの場合は鉄散弾に対応している物が多いです。チョークの側面にSteel or Lead と表記がある場合は鉄散弾対応です。
以上3点が、中古散弾銃を買う上で気にしておきたいポイントです。
ちなみに、兵庫県の狩猟界では99パーセントのハンターは2.75インチの鉛装弾を使用しています。このような地域では、わざわざ高価な3インチマグナムや鉄装弾を使うことを考えずに、あえて旧い銃を選ぶのも、買い物としてはお得だと思います。
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